こんにちは! 社会保険労務士srです。
「労働基準監督署」。人事系の業務に携わる方であれば、
あまりいいイメージは無いかもしれません。
その中でも、抜き打ち調査は・・・経験したくないもの
ですね💦
でも・・・来てしまいました(苦笑)。
今回は、その模様を記録に残したいと思います(笑)。
ある日の午後に・・・
受付から電話がありました。
「労働基準監督署の方が、お見えです」
約束もないのに、当然の来訪。
「げ、まずい」何も悪いことをしてる訳でもないですが、
そう感じてしまいます。
ま、役割的に、対応は僕がする、いや、僕しかできないので
執務室から1Fにおります。
(因みに、僕は昼休憩中だったのですけどね!)
受付に、若い女性と男性の二人が、全く感情のない表情で
立っていました。
若い女性が、名刺を出し挨拶します。
男性は・・・無表情で突っ立てます。
僕も社労士の端くれなので、目的は推察できましたので、
別室に入ってもらい要件をお聞きしました。
部屋に入ると、1枚のA4の紙を出し、その紙にある書類を
見せるように指示されました。 その内容は、下記です。
①就業規則類
②36協定、変形労働時間制の協定書
③労働条件通知書
④労働時間に関する帳票
⑤賃金台帳
⑥年次有給休暇管理簿
これらの帳票はかなりのボリュームなので、執務室の横の
面談室に移動してもらい…
調査開始
帳票類は、僕がこの法人に来るまでは、ほとんど整備でき
てなかったのですが、今は全て整備してあります。
①②就業規則、労使協定類は、それこそ僕が1から作り
届出してきましたので、問題はありませんでした。
③の労働k条件通知書も、以前は無かったのですが、順次
更新していき、ほぼ揃っていたので無事通過です。
④⑤は連動して調査している様子でした。
労働時間の長い従業員を数名ピックアップして、その
時間外等の割増賃金が加算されているか?
まあ、簡単に言えば、未払い残業代がないかのチェック
です。
ここまでで、2時間経過です。
僕は、その後外出の予定が入っていたので、労基の方を
置いて外出しようと思ったら、労基の方達も「ほぼ終わり
ましたので、失礼します」とのこと。
④と⑤で見切れていない分は、帳票を借りて署内で作業する
とのことでした。
労働基準監督官で、それなりの権限を持っている方達だと
いうことは分かるのですが、もう少し穏やかな(決して
ニコやかにとは言いませんが)表情と会話ができないもの
かと思いました。
調査結果の連絡
結果は、1週間後に連絡が来ました。
訪問してくれるようでしたが、予定が合わなかったので、
来署でも良いとのことでした。
何となくですが、来署でも良いということは、重大なもの
は無かったのだな、と思ってしまいました。
あ、結果連絡の前に、「残業機関の計算が合わない」との
連絡を受けたのですが、「休憩時間の打刻が漏れていたため」
と電話で説明したら、あっさり納得して頂けました。
「証拠書類出してください」と言われると思ったのですが・・
僕が社労士なので、信用して頂いたのかな?
さて、結果を聞きに労基署に伺いました。
指摘事項は、3点。
1 労働時間が36協定をオーバーしている月があった。
これは、調査時にも指摘されたし、こちらも当時わかって
いたので、対策済みの件でした。
理由も、新事業所移転月で、引っ越しという特殊事情が
あったことも説明し、ある程度の理解は示して頂いたので
すが・・・法令違反は法令違反です。
是正処置の方法と、その後の勤務時間表を提出することに
しました。
2 衛生委員会の未設置
これも、調査時に指摘され、準備している旨も説明し納得
して頂いていた件です。
事業所移転前は、50人未満の事業場だったのですが、移転
後は従業員が増えて、衛生委員会設置対象となったので、
計画をして進めている最中でした。
計画が1か月ほど遅れていたので、計画通りだったら指摘
なかったと、悔やまれるところでした。
3 有給休暇未取得の社員がいる
5日間義務化の法改正の際、未取得者1人当たり30万円の罰金
と決められた部分です。
計画取得の方法は確立して実施していたのですが、その次の
対策として、未取得の者に警告を出すことを実施しようとし
ていました。ここにも一定の理解は示して頂きました。
(言うまでもないですが、罰金はなかったです)
まとめ
労働基準監督署の調査は、真面目に取り組んでいる事業場には
寛大なんだな、これが率直な感想です。
逆に言えば、不真面目な、或いは何かを誤魔化そうとしている
事業場には、容赦ないものになると思えます。
また、完全でなくても、継続的に取り組んでいるという態度
が見えれば、指導という場にもなると思います。
この考え方は、非常に重要だと思います。
次のブログで記事にするつもりですが、僕は年内いっぱいで
勤務延長した現職場を、離れるつもりです。
労基が来た際は、「もう少し後で来ればいいのに」と正直思い
ました(笑)。
しかし、調査に立ち会い、その結果の説明を聞いた後では、
「自分がこの4年間ここで構築してきたことは、決して間違いでは
無かったし、十分な内容だったのだ」と大きな自信を持ちました。
この後の、完全独立に向け、自信をもって進むことができる貴重で
有用な体験となりました。
本日も最後までお読みいただき、まことにありがとうございました。
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