こんにちは! 社会保険労務士srです。
本日は、今まさに、僕が取り組んでる課題を紹介します。
医師の(病院の)働き方改革に関するもので、
「医師、看護師等の宿日直許可基準について」です。
詳細は、下記厚労省のリンクを参照してください。
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000526011.pdf
僕の実務に沿った説明なので、今回は「医師の宿日直許可基準」が
内容となっています。
労働時間等に関する規定の適用除外
労働基準法第41条が、根拠条文となります。
その適用除外の中にある
「監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁(労働基準
監督署長)の許可を受けた者」が、対象となってきます。
労働基準法施行規則第23条に、手続きとして
「使用者は、宿直又は日直の勤務で断続的な業務について、様式第十号
によつて、 所轄労働基準監督署長の許可を受けた場合は、
これに従事する労働者を、 法第三十二条の規定にかかわらず、
使用することができる」とあります。
つまり、「監視又は断続的労働」のなかに「宿直又は日直の勤務で断続
的な業務」も含まれるので、その要件を満たせば、様式十号
によって届出をして監督署の許可を受けてください。
そうしないと、通常の労働時間として扱いますよ。= 時間外、及び深夜
割増し発生しますよ。ということになります。
現実には、救急指定病院ではなく、病床を持つ病院の医師等の宿直が対象
となります。
常態として医療行為が必要でない夜間でも、医療法第16条の規定により
「医業を行う病院の管理者は、病院に医師を宿直させなければならない」
とされているからです。
医師・看護師等の宿日直許可の基準
では、どのような基準を満たせば許可されるのか?
下記に、その要件をまとめてみました。
医師の宿日直基準について⇒許可を受けた場合、
労働時間規制が適用除外になる
1 下記の条件を全て満たし、夜間に十分な睡眠をとり得ること。
①通常の勤務時間が終了し、その拘束から完全に開放された状態
であること
②宿日直中の業務は、特殊な措置を必要としない軽度又は短時間
の業務に限ること。
・医師が少数の要注意患者の変動に対応するため、問診や診察等
や、看護師等に対する指示、確認を行うこと。
③提示巡視、緊急の文書又は電話の収受、非常事態に備えての待機。
↓
1により宿日直の許可が与えられた場合でも・・
2 通常の勤務時間と同態様の業務に従事することが稀にあっても、
常態としてはほとんど労働することがない勤務であり、夜間に十分
な睡眠をとり得るものである限り、許可は取り消さない。
ただし、通常の勤務時間と同態様の業務に従事する時間については、
労基法上の割増賃金が支払われること。
3 宿日直の許可は、一つの病院であっても職種、業務の種類等を
限って与えることができる。
例えば、医師のみ、病棟宿日直業務のみに限定して与えることが
可能である。
4 小規模の病院、診療所等においては、医師がそこに住み込んで
いる場合は、これを宿日直として取り扱う必要はない。
※病院における医師、看護師のように、賃金額が著しい差のある
職種の者が、それぞれ責任度又は職務内容を異にする宿日直を行う
場合においては、一回の宿日直手当の最低額は宿日直につくことの
予定されているすべての医師ごとにそれぞれ計算した一人一日平均
額の三分の一とすること。
断続的な宿直又は日直勤務許可申請書
さて、上記要件を満たすことの確認が出来たら、許可申請書を提出
することになります。
許可申請には、則23条による様式十号を使用することになります。
これ見て頂けるとわかりますが、1枚もので非常に簡単な内容となって
います。これ1枚でいいの?と思い、厚労省等のHP調べましたが、何の
記載もありません。
(36協定等のように、記載例も見あたりません)
そこで、所轄の労働基準監督署に問い合わせしたところ、非常に丁寧に
教えて頂けました。結構付属資料添付、場合によっては作成しなければ
なりません。
一応、それも整理してみると下記のような書類が必要となります。
1 様式十号許可申請書
2 宿日直者名簿
・対象者の賃金台帳⇒宿日直手当が同種の労働者の賃金平均額の1/3以上か?
(労働条件通知書)
3 勤務態様表⇒開始、終了時間。その間の巡視、仮眠等の時間帯。
4 仮眠施設(宿直室)の内容⇒面積、設備等わかるもの。
5 監視・断続的労働従事者確認書
最低限必要なもので、このくらいの添付資料が必要となります。
何度も言いますが、規則としては様式十号だけの記載しかありません。
実際に僕が提出するべく用意したものは、1は必須なので当然ですが、
2の名簿と添付書類として、賃金台帳と労働条件通知書
3,4,5は、まとめて1枚の書面としました。
まとめ
許可申請するのに、これだけ情報が不足しているもの・・・今まで僕が
携わったなかでですが、ありませんでした。
ここ数年の働き方改革の一環として、「医師・看護師等の宿日直基準に
ついて」令和元年7月1日基発0701第8号でその内容が改正されたので
すが、その以前にも昭和24年3月22日基発第352号で規定されていま
した。
しかし、あまり周知されていなく、そのため許可申請している病院が少な
かったのでは?と思えます。
今般の働き方改革で、「病院も例外ではないよ!」としていますので、
各地方の労働局(監督署)で、許可申請の手順を作りつつあるのだと
感じました。
今まで、許可申請していなかったことについて、咎めるより、許可
申請を進めて行くことに注力しているようでした。
僕の場合は、旧病院の分と新病院の分、二つの許可申請が必要で労力
がかかりますが、これも自分のスキルアップと思い取り組んでいます。
もし、追加情報あれば、ブログ上でわかるようにしていきます。
本日も最後までお読み頂き、まことにありがとうございました。
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