【採用面接】実務シリーズ5

こんにちは!  社会保険労務士srです。

人事業務の中で、採用面接はかなり重要です。
以前も書いたかもしれませんが、人寄せ、人たらしだけでは
務まりません。

採用を人事と別扱いする会社もありますが、採用面接は人事の
ベテランしかできないものです、本来は。

面接準備

本来は、応募者を集めるところから始まるのですが、そこは
「採用活動」として「採用面接」とは分離させて頂きます。

スタートは、応募者から履歴書を受領したところからとします。

僕の関係している法人で、新しい施設を来春開設するため、新規
スタッフを募集しました。
職種的には7~8職種でしたので、応募開始からの問い合わせ対応
は多く、実質対応者は僕一人でした。

問い合わせに対してお答えするためには、少なくとも、その7~8
職種分の求人票は、頭に入っていなければなりません。
そして、法人なりの特徴、平均年齢、スキルのレベル、経験値等
も必須知識となります。

問い合わせに対し、的確に答えることによって、応募者の信頼を得
て正式応募に繋がっていきます。

そして、多数の応募者からの履歴書送付を待って、面接スケジュールを
組んでいきます。
本来なら、面接日を数日決めて、そこに来て頂くのが楽なのですが、
人材不足の中小企業では、取りこぼしは極力避けなければなりません。

特に在職中の方が多かったので、応募者の都合に合わせつつ、効率良く
まとめていく作業が必要となります。
今回は事情があり、ほぼ僕一人での対応でしたので大変でした。

応募問い合わせ対応 ⇒ 履歴書確認 ⇒ 面接スケジュール作成の
プロセスをこなしつつ、かなりの専門スキルが必要だと実感しました。

履歴書受領から1週間以内に、面接日程を決めることを原則としました。

面接

面接時には、「面接ヒアリングシート」と「面接評価シート」を使います。

面接ヒアリングシート
・勤務時間 ・勤務日数 ・健康状態 ・退職理由 ・前職給与
・職種によっては、スキルをはかる質問

面接評価シート
5~6つ程度の質問すべき項目があり、面接時の統一性を担保しています。
・志望動機 ・外見 ・言葉使い ・法人の特徴 ・スキル ・賞罰
などです。面接官が多い場合は、項目数はそのままで、内容を細くします。

面接評価シートに沿って質問をしていきながら、面接ヒアリングシートの
内容で必要なものを確認します。
そして、最後は、応募者からの質問に答えて、ひとり20分(長くても30分)
を目安とします。

新卒者の場合は、簡単な小論文(作文)を追加します。
適性検査は、その効果と必要性を感じていないので、実施しません。

面接時の注意点

質問事項は、本人の現在を中心に聞くようにしています。

高校生の場合は、ハローワークから通達?が出ていますので、注意が必要です。
(後日、学校⇒教育委員会⇒ハローワークというルートで注意される場合あり)
禁止質問事項は、下記の通りです。

(新卒高校生面接時には、絶対質問してはいけない事項)
本人に責任のない事項
①本籍・出生地に関すること
②家族に関すること(職業・続柄・健康・地位・学歴・収入・資産など)
③住宅状況に関すること(間取り・部屋数・住宅の種類・近隣の施設など)
④生活環境・家庭環境などに関すること

本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握
⑤宗教に関すること
⑥支持政党にかんすること
⑦人生観・生活信条などに関すること
⑧尊敬する人物に関すること
⑨思想に関すること
⑩労働組合・学生運動など社会運動に関すること
⑪購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

女性に限定したもの
⑫結婚や出産しても働き続けることができますか。
その他
⑬あなたの短所は何ですか。
⑭持病はありますか。

採用選考の方法 ×
⑮身元調査などの実施
⑯全国高等学校統一応募用紙・JIS規格の履歴書(様式例)に基づかない
事項を含んだ応募書類(社用紙)の使用
⑰合理的・客観的に必要が認められない採用選考時の健康診断の実施

面接終了後

合否判断

面接が終了したら、その余韻が抜けないうちに「面接評価シート」
評価を記入します。
各項目ごとに点数が割り振られていますので、その点数を決めていきます。
中間点に固まらないように、できる限り、良い・悪いの判断をするように
していきます。

僕の作った評価シートは、40点が満点になっていて25点以上を合格と
しています。

面接には現場責任者に入ってもらいますので、その印象と評価シートの
点数で、合否を決定します。

内定通知書作成

合否が決定したら、内定通知書の作成に取り掛かります。
ここで難しいのが、中途採用者の給与額です。
求人票の枠内で、経験とスキル、そして在籍社員とのバランスを考慮する
ので、かなり苦労していました。

そこで、「面接ヒアリングシート」には、前職給与を記載する欄を設け、
事前に交渉し感度を得ることをできるようしました。
これは、多変役に立っています。

微妙な線での交渉になった際は、「年収比較表」なるものを作成することも
あります。
給与の構成、賞与の支給率は、各会社様々なので、年額での比較表作成し
後々のトラブルを防ぐようにしています。

なので、内定通知書を送付する前に、電話での確認、場合によっては再度
来社して貰って交渉する場合もあります。

このようなプロセスを経て、内定通知書と入社承諾書を送付し、入社承諾書
の受領を持って、採用面接終了となります。

まとめに代えて

採用面接のプロセスは、以上になります。

しかし、人手不足の業界と応募者の多い業界少数採用か大量採用か、など
背景によって対応、判断基準がかなり変わります。

僕が関わっている業界は、不人気=人手不足の業界なので、応募してくれた
人は大切に扱います(笑)。
しかし、アンマッチの場合は・・心を鬼にして、不採用通知を出します。
現場には批判される場合もあるのですが、アンマッチは、結果的にお互いに
メリットはなくデメリットだらけなので、辛いのですが決断します。

中途採用者の面接をしていると、業界の様々なことが勉強になります。
特に、退職理由を聞くと「未だにこんな会社があるのだな」
⇒自分達もこのように言われないように注意しよう。
⇒他社の厳しさに比べれば、自社は良い方だ。(でも不平が多いな)
と感じます。

2~3年すると業界の縮図が理解できるようになり、それを採用戦略や
採用面接時の説明に活かせるようになります。
そうなると・・・採用活動も面白くなってくるのですが、なかなか
そこまでが辛いのです💦

冒頭で「採用面接は人事のベテラン」しかできない、と言ったのは、
このようなこともあるからです。
業界のことを知り、当然自社の就業規則、社会保険のことにも精通して
いることも必要だからです。

本日も最後までお読み頂き、まことにありがとうございました。

 

sr
sr

社労士SRです。
令和3年度の独立開業に向け、色々挑戦中です。
見よう見まねですが、blog、Twitterも始めました。
拙い内容ですが、よろしくお願い致します。

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