こんにちは! 社会保険労務士srです。
導入の効果に納得し、メーカー選定が終わったら、いよいよシステムの
中身に進んでいきます。
勤務計画(シフト)表の充実
最初でもお話しした通り、勤怠管理システムは、多職種、
多シフトが混在しているほど、効果を発揮します。
そのために、勤務計画表が詳細に反映されるよう設計することが
重要です。
ここに注力し、ほぼ全てのシフトを網羅できるようにすれば、システム
の9割は完成したも同然ですので、妥協しないで検討しましょう。
決定しなければいけないのは、下記の項目です。
1 シフト種類
・勤務時間帯
後々勝手に追加されないよう、現状踏まえ必要最小限にという意識
をもって、決めていきます。現場の意見を尊重することは必要です。
しかし、我儘は反映させないようにしましょう。
・勤務種類
リーダー業務、入浴介助、フリー業務等、日々の役割を変えている
場合は必要となります。
・それぞれの表記方法
言葉では、全て入力して表記させることは無理なので、略号を使用
することになります。ABCなどのアルファベットや◎〇△×などの
表記を併用します。統一感を持たせるよう工夫しましょう。
2 雇用形態別の表記
この部分は、パート社員の内容が最重要です。
勤務時間帯、休憩の有無、休憩の時間数など。
この部分も少なければ少ないほどいいですが、人手不足の昨今、
色々なパターン用意しないといけないのです。我儘はだめですが。
3 作成、入力の省力化
この部分も大事ですね。
最終的に勤務計画作成するのは、現場責任者なので、事務負担を軽く
したいです。
デモで入るものは、あらかじめ設定してある状態にできると良いです。
あと、業種によりますが、法令で必要人員数が決まっている会社では、
不足した場合アラートが出るようにすることも必要です。
僕の関係している、医療・福祉業界は、ある意味必須です。
勤務計画票の縦罫が、その日の人員数、横罫が個人の所定休日数(公休)
になりますので、正規の数字以外の場合は、アラートの出る設計にでき
ると便利です。
機能追加と権限設定
1 具体的な機能項目設定
・主なものとしては、休暇、休日の設定となります。
法令で決まっているもの…育児、介護関係、年次有給休暇など
無給or有給、所得単位(日、半日、時間)
昨今では、時間単位の取得が推奨される
雰囲気がありますね。手作業では、工数がかかり過ぎ対応不可です。
(詳細は、別で書きますね)
会社独自の休暇…特別(慶弔)休暇など
・始業終業時刻の設定
打刻時間との関係です。
通常は、始業時刻は決められた始業時刻(打刻8:50でも始業時刻が9:00
なら9:00から)、終業時刻は打刻時刻(決められた終業時刻が18:00
なら、打刻18:20なら20分は残業、打刻17:40なら20分は早退)となる
ケースが多いようです。
しかし、各会社の取り決めがありますので、それに沿った内容になるかと
思います。(残業が申請、承認制度になっている場合)
が、法令違反はいけません。(この機会に見直しましょう!)
2 権限設定
最後は権限設定です。
中小企業でも、ある程度の規模になると、組織は概ねしっかりしてますので
権限設定は問題ないかと思います。
ただ、複数段階設定を行うときの階層設定は必要かと。
あと、人事責任者の権限をどこまで入れるか?ですが、勤怠関係の最終承認
は、社長ではなく人事責任者とする方が理屈は合うと考えます。
一方で、権限が不明確な中小企業も数多くあることも承知しています。
勤怠システムを導入する企業は、従業員が100名以上になっている場合
が多いので、これを機会に、組織図と権限の明確化をします。
3 認証方法
ここも最近は進んでいますが、費用対効果の問題もあります。
一般的には、カード認証が多いです。社員カードとしても使用されてます。
カードリーダをどこに置くかの検討必要です。
予算が許せば、建屋への入退出と執務開始(執務室の入退出)時との2段階
が良いと思います。(サービス残業なしの証明等に使えます)
社員全員がPCなり端末機器所有の場合は、その中での打刻もあり。
顔認証を使っている企業もあります。
いずれにしても、実質的な方法を選択することだと思います。
まとめ
勤怠管理システムを導入するためには、
1 導入目的の明確化
2 メーカーの選定
3 勤務計画(シフト)表の作成内容検討
4 機能と権限の設定
ということになると思います。
何度も言いますが、設計思想を十分に話し合える環境が必要です。
企業側にもメーカー側にも、労働法とその企業の就業規則を理解できる
人員が必要です。
そうしないと、せっかく導入しても使えないシステムになってしまいます。
僕たち社労士の活用も、一つの手段です(笑)!
本日も最後までお読み頂き、まことにありがとうございました。
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