こんにちは! 社会保険労務士srです。
助成金はあまり興味がなかったのですが、調べていくと、
クライアントさんにご提案できそうなものもいくつかあります。
今回は、人材確保等支援助成金 雇用管理制度助成コースを
ご紹介します。
※対象事業主は、雇用保険の適用事業の事業主
※通常の労働者が対象となる部分が多いので、注意
雇用管理制度計画を策定
いくつかの助成金を見てきましたが、まず「計画」ありきです。
この助成金も同様で、所定の様式にて雇用管理制度計画を策定し、
本社管轄の都道府県労働局に提出します。
<計画期間>
3ヵ月以上1年以内
<助成の対象となる雇用管理制度>
以下、5項目のうち、一つ以上を導入・実施する。
① 研修制度
新たな教育制度・研修制度の導入で、決められた7つ要件を
満たすこと。
特に注意する要件は、
・研修費用の全額を事業主は負担する
・off-JT であること
・研修期間中の賃金は、業務と同様に支払われること
② 諸手当制度
新たな諸手当制度の導入で、決められた6つの要件を満たす
こと。
特に注意する要件は、
・諸手当制度導入の場合は、基本給減額等ではないこと
・退職金制度導入の場合は、そのための積立金や掛金等の費用を
全額事業主が負担すること
※本人の業績又は他社の評価によって変動する手当は認められない
(皆勤手当、精勤手当等)
③メンター制度
新たなメンター制度の導入で、決められた7つの要件を満たす
こと。
特に注意する要件は、
・外部メンター制度利用も可だが、メンターとして適切な者であること
・内部メンターの場合、民間団体が実施するメンターに関する講習を
受講させること
(①の研修制度にはならない)
④ 健康づくり制度
法定の健康診断以外の新たな制度の導入で、決められた5つの要件を
満たすこと。
特に注意する要件は、
・次のいずれか1つ以上導入すること
(胃がん検診、子宮がん検診、肺がん検診、乳がん検診、大腸がん検診、
歯周疾患検診、骨粗鬆症検診、腰痛健康診断)
・事業主が受診費用の全額を負担すること
⑤ 短時間社員制度(保育事業主のみ)
いわゆる短時間正社員制度ですね。
雇用管理制度の導入・実施
<制度の導入/制度の導入日>
・制度の導入=労働協約、就業規則に雇用管理制度を新たに定める
・制度の導入日=上記の施工年月日
(施工年月日が定められていない場合、就業規則は労基署へ届け出た日)
<制度の実施日>
①~⑤について、実際に行った日となります。
(①の場合、手当は支払った日ですが、退職金制度に関しては、掛金等の支払いが
実際に発生した日となります)
離職率の低下目標を達成
ここが、一番のポイントかもしれません。
<離職率の算出方法>
離職率=一定期間の離職者数/一定期間開始時の労働者数
・計画時離職率と評価時離職率(各々12か月間)を比較し
下記目標値を達成すること。
<低下させる離職率ポイント(目標値)>
労働者数 1~9人 10~29人 30~99人 100~299人 300人以上
15%ポイント 10%ポイント 7%ポイント 5%ポイント 3%ポイント
※但し、評価時離職率が30%以下となっていることが必要
労働者数は、雇用保険一般被保険者の人数
Ex.上記労働者数が30人の場合
・計画時離職率 15.0% ⇒ 評価時離職率8.0%以下が必要
まとめに代えて
人材確保等支援助成金というだけあって、最後の離職率低下目標の達成は
厳しい要件かもしれません。
雇用管理制度を整備しても、離職者が多く出てしまっては目標達成とならず
助成金が不支給となるからです。
ちなみに、目標達成すると 助成金57万円。加えて生産性要件を満たした場合
72万円の支給になります。
僕は、先日来、助成金スポット依頼のお客様?とスポットではお受けしないと
言って交渉してきました。最終的には顧問契約締結条件を付けることまで進んだ
のですが、お客様の考え方の根底にはスポット契約の考え方があるため、交渉は
まとまらずお断りすることとなりました。
やはり、努力した結果要件を満たしたご褒美として「助成金」が支給されるのだと
思うのです。そうしないと、残念ながら不正受給に進んでしまうかもしれません。
この助成金を例にすると、離職者の数を・・・・たくなりますよね。そこの1人で
支給・不支給が決まるとすれば。
最初でも書きましたけど、それを説明し理解しているお客様=顧問先様に対して
助成金の提案をしていきたいと思います。
社会保険労務士は、助成金の申請代行も重要な業務の一つですが、助成金請負人
ではないと、僕は思うからです。
本日も最後までお読みいただき、まことにありがとうございました。
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