こんにちは! 社会保険労務士srです。
最近、残念なことに、休職者が多いように感じます。
人事という職務柄、かなりの休職者と面談してきましたが、
メンタル的疾患の方が…8割程度です、僕の場合は。
休職とは
休職は、法律上の制度ではなく、就業規則や労働協約によって定め
られている制度です。
なので、それらの定めに基づく使用者の(一方的な)意思表示によって
なされるのが普通です。
僕の所属する会社の就業規則もそうなっています。
実務上は、人事の僕が、社員の状況を聞き取り(通常は医師の診断書
を参考に)、休職を決定します。
以前は、勝手に「休職しまーす」とか、休んだ後に「あれ、休職にします」
などと、決めてしまう社員がいたようですが、これは間違った対応です。
また、会社によっては、「同じ種類の理由(病気)」での休職は、2度
までなど、回数を決めているところもあります。
休職の期間
会社によって、まちまちで、6か月~3年と会社によってばらつきあり
ます。一般的には、大手企業の方が期間は長く認める傾向です。
休職期間の賃金
通常無給の場合が多いですが、最初の6ヵ月~1年は、何割かの賃金を
支給する会社もあるようです。(これも大手企業)
この辺は、就業規則で確認しておいた方が良いでしょう。
休職の種類
傷病・怪我等の「傷病休職」が一般的ですが、変わったところでは、
「起訴休職」なるものがあります。(全日本空輸事件参照ください)
休職制度の目的
定めれた期間中に、傷病から治癒し就業可能になれば休職は終了し、
復職となります。
これに対し、治癒せず期間満了となれば、(自動)退職または解雇となり
ます。
よって、この制度の目的は、「解雇猶予措置」とも言われます。
復職について
休職の場合、争いとなるのは、復職の要件である「治癒」に関してです。
何をもって治癒というのか?
この治癒とは、医学的な見地ではありません。
債務の本旨に従った労働の提供ができるか、どうかということです。
債務の本旨とは、
労働契約上の「職種」「業務内容」がどうなっているか?ということ。
片山組事件では、
「労働者の職種や業務内容が限定されていない場合には、・・・・・
中略・・・配置換え等により現実に配置可能な業務がある限り、
その業務に配置すべき」とし、従前と異なる業務でも債務の本旨に
従った業務と見ています。
実務上は、配置転換、短時間勤務を組み合わせ、雇用継続をはかるよう
仕組みづくりしました。
就業規則追記、短時間正社員制度制定等です。
しかし、自ら退職を決める社員も少なからずいます。
主に、メンタル的疾患の場合が多いですが・・・・
面談と傷病手当金
実務では、傷病手当金の手続きもありますので、労務不能の判断も
含め、面談を必須とし、医師の診断書を貰うようにしています。
休職期間は、医師の診断書を基に決めることがほとんどです。
メンタル的疾患の場合は、医師の診断書が延長されることがほとんど
なので、都度、面談にて状況確認をしたうえで、期間延長の手続きを
します。
傷病手当金の申請書には、医師の記入欄もありますので、延長が
想定される休職者には、1か月ごとの報告と面談を心がけています。
メンタル的疾患の方との面談は、難しいのですが、まず傾聴を基本とする
こと、相手が落ち着いた雰囲気で話せるような環境づくりを心がけます。
面談場所やその導線の確保を、考えるようにしています。
他の社員と顔合わせたくない方も、多くいますので配慮が必要です。
傷病手当金については、できるだけ丁寧に説明します。
特に、復職できないまま退職になってしまう方には、退職後も一定期間
傷病手当金が支給されることを伝えます。
(下記、協会健保のリンクです)
傷病手当金(協会けんぽ)
この面談能力も、人事としては必要な能力ですが大変難しく、経験値が
必要とされる業務です。
相手を慮る姿勢は必須ですが、時には規則に沿った判断を伝えなければ
ならないからです。
全ての人事の仕事を経験したうえで、辿り着ける業務かもしれません。
本日も最後までお読み頂き、まことにありがとうございました。
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