こんにちは! 社会保険労務士srです。
今日は、特定社会保険労務士試験の倫理問題を一つ例に
して、解答の考え方を勉強してみましょう。
僕は、当初、この倫理問題が苦手でしたが、下記の解き方を理解して
苦手意識を克服しました。
例題
昨年のゼミナールの<設例6>です。
A社労士はB開業社労士の使用人として勤務していた。
ある日、B開業社労士は、その顧問先であるD社の部長から
同社の従業員Cがパワハラを受け精神的な苦痛を蒙っている
と申し出てきたが、どう対処すればよいかとの相談を受けた。
しばらくして、A社労士はB開業社労士の事務所を退職し、
独立して社会保険労務士事務所を開業した。
すると、A社労士の事務所にCが訪れ、上司のパワハラにより
病気になったためD社に対し損害賠償請求したいので、労働局
の紛争委員会へのあっせんの申し立ての代理人になって欲しい
と依頼してきた。
次の場合、A社労士はCからの依頼を受けることができますか。
設問1
A社労士が、B開業社労士の使用人であった当時、B開業社労士と
同席してD社の部長から相談を受け、パワハラ事件への具体的対応
を助言していた場合。
<解答の考え方>
受任できない。
社労士法第22条2項4号に抵触するため
「D部長からの相談を受け、具体的対応を助言した」ことは、
同条項の、「協議を受けて賛助した事件」にあたり、自ら
関与したものとなるからである。
設問2
A社労士が、B開業社労士の使用人であった当時、来所したD社
の部長と挨拶は交わしたものの、その後はB開業社労士の指示
によりパワハラに関する判例を集め、これをB開業社労士に渡
しただけの場合
<解答の考え方>
受任できる。
社労士法第22条2項4号、5号の、「自らこれに関与したもの」に
あたらない。特に5号の「その協議の程度及び方法が信頼関係に
基ずく」とまではいかない。D部長とは挨拶するくらいの関係で
あるため。
(前職の顧問先であったため、内情を知っていたため信義誠実、
社労士の品位と信用を害する、という考えもできなくはないが、
そこまでの強い関係だとは思われない)
※4号と5号の違いは、
4号は、「協議を受けて賛助」しますが、
5号は、協議のみで賛助はしていません。ただ、その協議の程度及び
方法が、「信頼関係に基づく」ということです。
まとめ
上記例題の解答の論点は、上記の通りとなります。
実際の解答は、事実関係も丁寧に記述して字数を合わせていくこと
になります。
「A社労士の行為は、単に上司であるB開業社労士の指示によるもの
であるため、又D部長とは単に挨拶を交わすのみの関係であった
ことから、社労士法第22条・・・・・・にはあたらないと考える」
僕の場合、当初、倫理問題を解いていくと、全てが「受任できない」
の方向に行きがちでした。
それは、社労士法の理解が足らず、論点がつかめなかったからです。
前回の論点整理やゼミナール、過去問を解くことによって、社労士法
の理解を深め、論点をつかむようにしてください。
本日も最後までお読み頂き、まことにありがとうございました。
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