こんにちは！ 特定社会保険労務士srです。
今日は、題に合わせて「特定」付けました(笑)。
色々な人が言ってますが、「特定」社労士になっても活動自体
変わらない、って。
まさしくその通りですね。もしかすると、どこかに「あっせん委員」
の仕事あるかもと、淡い期待を持っていますけど。。
そのようなことは、わかっていたんですが、いざ合格してもこれでは
勉強したことを活かすどころか、忘れていってしまう。
それが怖くて・・・県会の「あっせん自主研究会」に入りました。
あっせん自主研究会
模擬あっせんをしながら、事例を研究する会です。
・あっせん委員
・申立人(代理人）
・被申立人(代理人）
で構成され、毎回役割が代わります。
あっせん委員が難しそうですが、作業としては何もないです。
作業的に一番しんどいのは、申立人です。
被申立人は、それに対して反論を考える役割なので、作業的には
それほどでもないかと。
講習会では教わらなかった、あっせんの現場を知り一つ勉強に
なりました。(元あっせん委員の方がメンバーにいらっしゃいます）
6月から参加して、3回目が先日終わりました。
次回、いよいよ初の役割を頂きました。
作業量の多い申立人の代理人です。しかも、すごく特殊(と感じてしまう）
な題材です。（初めてなのに、いじめか～）
あっせん事例 概要
YはX（法人）の書店で、約10年働いていたが、アルバイトであった
ということで（フルタイムのバイト）、社保未加入状態。
土日祝が休日だったが、土曜日は出勤を頼まれることが多かった。
Yが不満を募らせ退職
理由：未払い賃金(残業代）、社会保険の未加入等
退職後、上記補償を求めて、内容証明郵便が送り付けられた。
（65歳から80歳まで減額した年金の補償含む）
円満な解決を図るため、Xがあっせんを申し立てた。
あっせん申立人：X 書店（法人）店主
被申立人 ：Y 書店（法人）元従業員 約10年勤務
普通は逆ですよね～。
Yがあっせん申し立てるなら、言いたいこと満載で攻めるのだけど、
Xが（ビビッて？）あっせん申し立てるとは・・・
代理人の僕は、どうすればいいのでしょう。
Xが全面的に悪いですよ。味方したくないです(笑)。
あっせん事例 Xの主張
・未払いの残業について
Yの退職日から2年前に遡って支払う。
ここは仕方ないけど（逆なら10年分払え!と）
問題は次の
・未加入の社会保険について
未加入は誠に申し訳なく思っているが、アルバイトは未加入で良いと
思っていたためで、故意ではない。
10年分遡って加入させたいが、法では社会保険の訴求期間は原則2年
であるため、その分遡って加入させる。
このような主張になるのだろうか、申立人の代理人としては・・・
あっせん事例 Yの主張
僕がYの代理人なら
・未払い残業代
時効云々ではなく誠意を見せてほしい。
払っていなかったのは、悪意とも取れるため、10年分は払うべき。
・未加入の社会保険について
Yが主張するように、65歳から80歳までの減額される年金額を払え。
上記以外は、一歩も譲らない。
残業代を払わないことも、社会保険に未加入だったことも故意が
感じられる。アルバイトも社会保険に入らなければいけないこと
は知らなかったと主張するが、だからと言って法の範囲で逃げる
ことは許されない。
(やっぱりYの代理人の方が、主張しやすいし、性に合ってます）
あっせん事例 まとめるとしたら・・
金銭解決しかないので、どこで折り合いをつけるか？ということに
なるでしょう。
年金苦手なので、自信はないけど
・65歳から85歳までの年金減額を試算すると、約170万円。(かな)
・10年分の社会保険の未払い分試算すると、約200万円。
本来は、2年分しか遡及できないし、損害賠償も実際に発生した損害
が対象になるので、将来予測される額の補償を求めても、(裁判では)
認められることは難しい。
よって、上記試算額の約半分＝月額給与の6か月分を支払う。
（時給1,000円なので、大体95万～100万）
残業代は、2年分のみ計算通り支払う。（遅延損害金14.6％？）
＋
心からの謝罪。
さて、研究会ではどのような結末になるのでしょうか？
本番は、2月なので判例（あるか？）などで、肉付けできたら
いいのだろうけど、難しいように思えます。
本日も最後までお読み頂き、まことにありがとうございました。
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